2010年4月16日

楽しい自立

Filed under: blog — Nishitani @ 12:20 AM

…「祖父が言うには、人にただ何かを与えるよりも、そのつくりかたを教えてあげられたらなおいい。
そうすれば、相手は自分の力でうまくやってゆくだろう。与えるばかりで教えなければ、一生与えつ
づけることになりかねない。それでは親切のつもりがあだになる。相手はすっかり依存心を起こし、
結局自分自身をうしなってしまう。
 ある人たちはずっと与えつづけることを好む。なぜなら、そうすることによって自分の見栄と優越感
を満たすことができるからだ。本当は相手の自立を助けるようなことを教えてあげるべきなのに。」
         『The Education of Little Tree』 (邦題『リトル・トリー』) フォレスト・カーター著

 僕の大好きな本の1つに『リトル・トリー』(めるくまーる社)というのがあって、リトル・トリーはアメリ
カンネイティブ(インディアン)のまだ小さな子供で、両親が早くして死んだために、森に住む祖父母
に預けられています。彼は森の中で、自然から、祖父母から、動物たちから様々なことを学ぶのです。
そうした自然や老人たちの教えは、現代の我々が失ってしまった生きていく上での大切な知恵を数
多く含んでいるように思えます。
 このBlogではその中のいくつかを紹介しつつ、生きる上でのささやかなヒントをお互いが発見できれ
ばいいなあ、と思っています。
 そのスタートが上述の祖父のことば。やっぱり、教育の原点は「自立」です。ここ数年僕が教師をし
ていて気になるのは自分の力で決断できない生徒の増加です。こういうことをいうとオヤジ臭いと思
われるかもしれませんが、やはり、確実に増加しています。その原因はいろいろあると思うのですが、
例えば、日本社会が豊かになり安定したこと、それに伴う少子化、さらにそれに伴う親の子供に対す
る過保護、教師の生徒への媚び、へつらいなどなど・・・。
 これを生徒の側から考えると、こうした自分の決断を阻むものに従って、自分で決めず、信頼する
他人に物事を決めてもらうことは、ある意味ラクだということです。しかし、これには大きな落とし穴が
ある。こういうことを続けていると、他人の奴隷になってしまい、あることがうまくいかないと、自分では
なく他人を責めるといったとても傲慢な人間になってしまう恐れがあるのです。
 あわせて、将来、自分が就活をする際にとても不利になってしまう。すぐれた企業の求める人材は
自分の決断力と責任で難局を打開し、新しい方向を切り開いていける人間だからです。特に不況な
らなおさら。
 ということで、まあ焦る必要はないのだけれど、受験を通して1つ1つの小さな目標を自分で立て、
それをクリアーすることで、小さな自信のカケラを積み重ねていこう。僕はきみにその目標の立て方
とクリアーの方法を教えてあげられると思う。そして、その先にあるのは志望校への合格であり、さ
らに自立した人間として生きる充実感なのです。